私がお酒をやめたきっかけ。それは「健康になりたい」といった意識の高い理由ではありませんでした。
ある日、普通に飲んで帰った翌朝、背中に「体が叫ぶほどの激痛」が走ったんです。 「このままじゃ死ぬ」と本能が察するほどの地獄。幸い症状は治まりましたが、「あの痛みには二度と戻りたくない」という強烈な恐怖が、私の最高の友達「酒」を断ち切りました。
誤解してほしくないのですが、私はお酒を悪く言うつもりは全くありません。 美味しいお酒を仲間と楽しく飲むのは、最高です。ただ私はうまく付き合いきれなかった。地獄の痛みを感じる前から何度も酒断ちに挑戦していました。しかし何度も失敗しました。
そんな矢先、あの激痛。アラフォーになった私の体はついに、やめるやめない以前に「もうダメ」の状態になってしまったんです。 いわば、強制終了させられただけ。
あんなに毎日飲んでいたのに、いざやめてみると「飲みたい」という欲求なんて一度も現れませんでした。激痛という恐怖が圧倒的に勝っていたからです。
しかし、お酒をやめて「夜のぽっかり空いた時間」ができた時、多くの人が陥る罠があります。 「よし、浮いた時間で資格の勉強か何か新しいことでも始めるか!」と意気込んでしまうことです。 でも、突然時間ができたからといって、そんな上手に人間は習慣化できるようになるわけないんです。すぐに挫折するのがオチ。それを僕は少し前に経験していました。
ダイエットのために通勤を徒歩に変えてみたり、運動を意識したり、食生活を変えてみたり。いろんなことに挑戦し始めた頃に、このお酒とのお別れが来たんです。 その挑戦は健康のためでした。続けれたり、三日坊主だったりでしたが、結局全て終わっていました、しかし、このお酒とのお別れを機に全部できるんじゃないかと思い始めたんです。
「時間の使い方も含めて、自分の体をリセットしよう。3年。3年でリセットして健康を当たり前にする」そう決めたのでした。
まず私は、お酒をやめたことによる体のリセットも兼ねて、ただ寝ました。ひたすら寝ました。 何をしたらいいかわからなくて、寝ました。寝るのは好きじゃなくて、いつも何かしてないと嫌なタイプだったんですが、あえて寝ました。今までの人生であまりやってこなかったことに興味を持とうという考えが少しあったからです。
ただ、単純にではなく「睡眠という行動を真剣に始める」ことにしたんです 結果的に、これがアラフォーの私の人生を根本から変えることになります。
1. 「夜の脳」は使い物にならない。すべてを朝に回す
お酒をやめて早く寝るようになると、当然、早く目が覚めます。 夜7時〜8時に寝て、朝の3時〜4時に起きる。「早寝早起き」が普通になった時、朝と夜とでは、脳のクオリティと処理能力が全く違うことに気づきました。
仕事から帰ってきた後の「夜の脳」は、自分が思っている以上に疲れ切っています。そんな状態で悩み事や副業に向き合うのは非効率の極み。よく考えれば、「仕事以外で、絶対に夜にやらなければならないこと」なんて日常生活にはほとんどありません。
だったら、全部朝にやればよくないか?
朝の元気な脳でタスクをすべて終わらせ、クリアな頭で仕事に行く。すると、仕事中は「これが終わればあとは寝るだけ」という状態になり、不安や悩みが一切なくなりました。 3時に起きていれば、世の中の始業時間は自分にとっての「昼時」。身体も脳もピークの状態で仕事に向かえるんです。
2. 「睡眠不足によるバグ」を自分の性格だと勘違いしていた
睡眠を真剣に考え始めると、ただ長く寝ればいいわけではないことに気づきます。 私はスマートバンドやリングなどを導入し、自分の体を実験台にして「睡眠の質」を徹底的に研究しました。睡眠について興味のある方はこちら (※具体的な睡眠ハックについては[別記事:睡眠攻略本]を参照)
3. 最悪の罠。「ストレス発散」という言葉の嘘
質の高い睡眠をたっぷり取るようになると、「感情の波」が消え去りました。 常に冷静でいられるようになると、いろんなことに気付き、深く考え始めます。得意不得意、人間関係、これから未来のこと、自分の深掘りなどひたすら頭の中が動いている状態が続きました。
それもいつも冷静で考えて導き出した答えは全て繋がっていて、ブレがないんです。そんな中で今まで信じていた「ストレス発散」という考え方の異常さに気づきます。
かつての私は、ストレスが溜まったらお酒で「発散」していました。お酒を純粋に楽しんでいたつもりが、逃げ道にしてしまっていたんです。でもそれは、問題を先延ばしにしてごまかしていただけでした。 私は、お酒というのは、全てを曖昧にしてしまうものだと考えています。いい意味でも悪い意味でも。全てのことの輪郭をぼやけさせるんです。
そうこのストレスについても。 ストレスの解決策は「根本原因を消す」か「ストレスを感じない考え方に変える」かの2つしかありません。 それなのに「ストレス発散のために、好きなことをする」「ストレス発散のために〜〜〜」と、日常の中でのことを全てストレスを理由にしてこなししまうようになったりしていました。 たとえ自分が好きでやっていたこと、趣味でさえもです。
すると「自分はこれが好きでやっているのか、ストレスを発散、またはごまかすためにやっているのか」順番が分からなくなっていきます。 好きなことをしているはずなのに、「ストレスが多いから仕方なくこれをする」と錯覚し始め、日常生活のすべてがストレスと一緒に感じてしまい、楽しくなくなっていく最悪の負のスパイラルに陥る。僕がそうでした。
幸か不幸か、激痛のおかげでお酒を手放し、冷静な脳を取り戻したことで、私はようやくこの負のスパイラルから抜け出すことができました。
4. 浮いた時間とお金を「自分の脳」に全振りする
本来の自分を取り戻し、いろんな考えがまとまってくると、自分が本当に必要なもの、これからやるべきことが明確になってきて、「時間の使い方」を考えるようになります。 まるでパズルを組み立てるように、空白の時間に「スキルを得るための時間」を組み込んでいきました。これが僕の中では「習慣化」のポイントだと思っています。
私のようなアラフォーが、いつまでも体だけを使って働き続けられるわけがありません。AIが当たり前になる時代、頭を使える人間にならなければ確実に時代に取り残されます。
そこで役に立ったのが、「お酒をやめて浮いたお金と時間」です。
毎晩のように飲み歩いていた時間、お金が丸々手元に残っています。 私はそのお金を、通信教育、書籍の購入、AIツールの活用など、すべて「自分への投資(脳への課金)」に回しました。
たった一つの恐怖をきっかけに、今の自分に合わなくなった習慣を手放した結果。手に入れたのは、圧倒的にクリアな脳、未来のための時間、そして自己投資のためのお金という、まさに人生のボーナスステージでした。
ただ、これは「手に入れた」というより、「元から持っていたもの」を自らドブに捨てていたことに気づいただけなんですよね。
もちろん、毎日お酒を飲んでいた過去を後悔しているわけではありません。当時の経験や人間関係、失敗があったからこそ、今の自分があるのも事実です。あの日々が無駄だったとは思いません。
しかし、お酒を手放して自分の生活を見直し、「これからの自分」と目標との距離を冷静に測った時、強烈に感じたことがあります。 それは、「時間がいくらあっても足りない」ということです。
学ぶべきこと、やりたいこと、なりたい自分がどんどん溢れてきて、圧倒的に時間が足りない。でも、だからといって絶対のルールである「睡眠時間」を削ることはしません。 限られた時間の中で、いかに効率よくスキルを身につけ、未来のパズルを完成させていくか。それが今の私にとって、最高に充実した時間の使い方になっています。
もし今、あなたがお酒との付き合い方や、自分の生き方に悩んでこの記事を読んでくれているなら。
無理に新しいことを始めようと気負う必要はありません。ただ、今の自分に合わなくなったものを、一つだけ「引き算」してみてください。 そこにはきっと、あなたが本当にやりたかったことを見つけるための、静かでクリアな時間が待っているはずです。
この記事が、新しい自分に出会うための小さな背中を押すきっかけになれば嬉しいです。

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